2026/10/04 10:00


マジック道具を購入するとき、何を基準に選んでいますか?

新しい現象ができること。

見た目がきれいなこと。

価格が安いこと。

有名なマジシャンが使っていること。

もちろん、どれも大切な判断材料です。

Carreteraがマジック道具を開発するとき、もう一つ大切にしていることがあります。

それは、

「実際に使う人が、不便に感じるところをできるだけ減らすこと」

です。

新しい機能を追加することだけを考えるのではありません。

実際にマジシャンが手に取って、セットして、練習して、演技して、メンテナンスする。

その一連の流れの中で、

「ここが使いにくい」

「ここで失敗しやすい」

「ここはもっと簡単にできないか」

と思う部分を、できる限り設計の段階で潰しておきたい。

これがCarreteraのモノづくりに対する基本的な考え方です。

「作って発売」ではなく「使って問題を探す」


マジック業界では、次々と新しいマジックやマジック道具が登場します。

新しい現象や新しい仕組みが生まれることは、マジックの大きな魅力です。

一方で、マジック用品は一般的な工業製品と比べて市場規模が大きくないため、メーカーが一つの商品に開発費や時間をかけ続けることが難しいという事情もあります。

そのため、アイデアを形にして、ある程度使える状態になったところで商品として発売するという考え方にも、もちろん合理性があります。

Carreteraは、そのこと自体を否定しているわけではありません。

ただ、私たちは別の方向にも価値があると考えています。

それが、

「発売する前に、できるだけ問題を見つけて潰しておく」

という考え方です。

商品が完成したと思ったところからが、本当のテストの始まり。

実際に使ってみる。

少し変な使い方もしてみる。

長期間使ってみる。

そして、問題が見つかったら設計に戻る。

Carreteraでは、この繰り返しを大切にしています。

「普通に使える」だけでは十分ではない


マジック道具は、一般的な製品とは少し違います。

マジシャンは同じ道具を、何百回、何千回と使うことがあります。

本番だけではなく、練習でも何度も操作します。

しかも、マジックでは普通の製品では考えないような使い方をすることがあります。

そのため、開発者が想定した使い方だけで問題がなければ、それで完成とは考えません。

Carreteraでは、

「こう使ったらどうなるか?」

「ここに負荷がかかったらどうなるか?」

「少し特殊な扱いをしたらどうなるか?」

といったことまで、できる限り試します。

そして、想定していなかった問題が見つかったら、それを「使用者の使い方が悪い」で終わらせるのではなく、

「そもそも設計で改善できないか?」

と考えます。

もちろん、物理的にすべての問題をなくせるわけではありません。

だからこそ、ギリギリまで両立できる方法を探します。

新しい機能も入れたい。

使いやすさも落としたくない。

耐久性も確保したい。

メンテナンスもしやすくしたい。

そのすべてを実現できる方法がないかを考える。

どうしても物理的に両立できない場合には、Carreteraでは新しい機能を増やすことよりも、使用者が感じる不便を減らすことを優先します。

Cirrusの開発で、何度も設計をやり直した理由


Carreteraの考え方を分かりやすく表している製品の一つが、スレッドリール「Cirrus」です。
インビジブルスレッドを使ったマジックでは、スレッドリールは非常に便利な道具です。

しかし、既存のスレッドリールを使っている中で、

「上級者が扱っていても、スレッドが切れたり絡まったりすることがある」

ということに、私たちは違和感を感じました。

もちろん、インビジブルスレッドは非常に細い素材です。

扱い方によって切れたり絡まったりすることはあります。

しかし、それだけで「使う人の技術の問題」と片付けてしまうのではなく、

「道具側で改善できる部分があるのではないか?」

と考えました。

そこでCirrusでは、筐体に使用する素材や、スレッドが通る部分の設計などを見直しました。

特に、筐体内部の隙間にスレッドが入り込んで引っかかる可能性については、幅や曲率を細かく調整しています。

その調整は、0.01mm単位に及びました。

しかし、ただ引っかかりにくくすればいいわけではありません。

スレッドが扱いやすくなっても、メンテナンスが難しくなってしまえば、別の不便が生まれます。

そこで、

「スレッドが引っかかりにくい」

「正常に動作する」

「メンテナンスしやすい」

という複数の条件を両立できる位置を探して、何度も設計と修正を繰り返しました。

発売前に、実際のマジシャンに使ってもらう


設計者だけでテストしていると、どうしても見落とす問題があります。

そこでCirrusでは、クローズドベータテストを行いました。

スレッドリールの扱いに慣れているマジシャンに、実際に製品を使ってもらう。

しかも、短期間ではありません。

1か月以上実際に使ってもらい、使用感をヒアリングする。

そこで得られた意見をもとに設計を修正し、さらに1か月以上テストする。

この工程を何度も繰り返しました。

もちろん、具体的にどこをどう変更したのかについては、製品の仕組みや企業秘密に関わるため、すべてを公開することはできません。

ただ、Carreteraが大切にしているのは、

「作ったものを使ってもらう」のではなく、「使ってもらった結果を、もう一度製品に反映する」

ということです。

自分自身が使いたいと思えるか


最終的に商品として発売するかどうかを判断するとき、Carreteraが大切にしている基準があります。

それは、

「自分自身が、この商品を使いたいと思うか」

ということです。

しかし、それだけでも十分ではありません。

さまざまな使い方を想定し、時にはあえて特殊な扱い方をしてみる。

そのうえで、製品が想定した働きをきちんと見せる。

そこまで確認して、初めて「これなら使ってもらえる」と判断します。

マジック道具は、買って終わりの商品ではありません。

購入したあとに練習し、実際の演技で使い、何度も触るものです。

だからこそ、購入した時点ではなく、購入した後にどう感じるかまで考えて設計したいと考えています。

「買って損した」と思われないメーカーへ


Carreteraが目指しているのは、すべてのマジシャンにとって最高の商品を作ることではありません。

マジックには人それぞれの好みがあります。

演技スタイルも違います。

必要としている機能も違います。

だから、すべての人に合う商品を作ることはできません。

それでも、

「自分が想定していた使い方と大きく違わない限り、買って損したとは思わない」

そんな商品を作れるメーカーでありたいと考えています。

商品ページを見て、

「この商品なら自分の目的に合いそうだ」

と思って購入してもらう。

そして実際に使って、

「買ってよかった」

と思ってもらう。

Carreteraが目指しているのは、そういう商品です。

流行を追うより、長く使えるものを


マジックにも流行があります。

新しい現象、新しいギミック、新しい仕組みが登場すれば、多くのマジシャンが注目します。

Carreteraも、新しいものを作ること自体は大切だと考えています。

ただ、流行している間だけ使われる商品よりも、

「何年経っても使いたくなる商品」

を作ることに、より大きな価値があると考えています。

一つの商品を購入して、何度も練習する。

自分なりの使い方を見つける。

演技に組み込む。

そして、何年経っても使い続ける。

マジック道具は、使い込むほど価値が増していくものもあります。

だからこそ、Carreteraでは「次々に買ってもらうこと」だけを目的にするのではなく、一つの商品を長く使いこなしてもらうことを大切にしています。

長く販売できる商品は、次の商品にもつながる


実は、長く使える商品を作ることは、ユーザーだけでなくメーカー側にもメリットがあります。

一つの商品が流行の期間だけで終わってしまえば、短期間で開発費を回収する必要があります。

一方で、長期間にわたって必要としてもらえる商品であれば、開発にかかった費用を長い期間に分散できます。

そうすると、一つの商品をより丁寧に開発することができます。

そして、そこで得た利益や経験を、次の商品開発に使うことができます。

つまり、

長く使われる商品を作る
↓
長く販売できる
↓
開発コストを分散できる
↓
次の商品にも時間と費用をかけられる
↓
さらに良い商品を作れる

という循環を作ることができます。

Carreteraが目指しているのは、この循環です。

「新しい」だけではなく「長く使える」を


新しいマジック道具を作ることは、決して簡単ではありません。

新しい現象を考える。

仕組みを考える。

試作品を作る。

問題を探す。

修正する。

テストする。

そして、また修正する。

Carreteraでは、この工程をできるだけ丁寧に行いたいと考えています。

新しい機能を追加することも大切。

しかし、そのために使いにくくなるのであれば意味がありません。

だからこそ、まずは両立できる方法を限界まで探します。

それでも難しいのであれば、ユーザーが感じる不便を減らすことを優先する。

それがCarreteraのモノづくりです。

Carreteraの商品を選ぶということ


Carreteraの商品を選んでいただくとき、すべての商品がすべてのマジシャンに合うとは考えていません。

だからこそ、商品ページでは、

「何ができるのか」

だけではなく、

「どんな人に向いているのか」

「どのような使い方を想定しているのか」

をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。

目的と商品の特徴が合っているなら、できるだけ安心して購入してほしい。

そして、購入したあとに長く使ってほしい。

そのために、Carreteraでは商品そのものだけでなく、使い方やメンテナンスについての情報も発信しています。

Carreteraは「買って終わり」にしない


マジック道具は、購入した瞬間がゴールではありません。

そこから練習が始まり、自分の演技に組み込まれ、何度も使われていきます。

だからこそCarreteraでは、

「どうすれば、この商品を長く気持ちよく使ってもらえるか」

まで考えて商品を作っています。

例えばインビジブルスレッド関連の商品でも、糸そのものだけではなく、スレッドリールや周辺道具、メンテナンス、実際の演技での使い方まで含めて考えています。

もしCarreteraの商品が気になったときは、単に「何ができる商品なのか」だけではなく、

「なぜこの形になっているのか」

にも注目してみてください。

そこには、実際に使うマジシャンが感じる不便を少しでも減らすための設計があります。

これからも、長く使えるマジック道具を


Carreteraが目指しているのは、流行に合わせて商品を増やしていくことだけではありません。

新しいアイデアを形にしながら、実際に使う人の不便をできるだけ減らす。

発売前にできるだけ問題を見つける。

実際のマジシャンに長期間使ってもらう。

必要なら設計をやり直す。

そして、購入した人に、

「これは買ってよかった」

と思ってもらえる商品を作る。

そのために、開発に必要な時間を惜しまない。

それがCarreteraのモノづくりに対する考え方です。

流行が終わっても使い続けられる。

何度も練習して、自分のものにできる。

何年経っても「これを買ってよかった」と思える。

そんなマジック道具を、一つずつ作っていきます。

Carreteraは、マジシャンが長く使い続けられる道具を作ることを目指しています。